【こんな症例も治りますシリーズ 779】『 意外と知らない 重症化する便秘 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の便秘のレントゲン像です。

 

参照サイト:

https://00m.in/JodaQ

 

猫 ミックス猫 8歳 オス (去勢手術済み)

 

 

【 ここ数日ウンチが出ていない 】とのことで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 普段は毎日排便があるのに、2日以上出ない状態が続き、飼い主さんも心配されていました。

 

 

 

■ 診察するとお腹が張っていて、レントゲン検査で大腸内に硬いウンチがたまっていることが確認されました。

 

 

 

■ 猫は本来、柔らかすぎず硬すぎない便を1〜2日に1回ほど排泄します。 しかし、水分不足や腸の動きの低下、毛玉、加齢による筋力低下などが原因で、便が硬くなり排便が困難になることがあります。 これが『便秘』です。

 

 

 

 

 

◆◆ 主な原因

 

 

•  水分不足  :ドライフード中心で水をあまり飲まない

•  運動不足  :高齢や肥満による活動量の低下

•  毛玉    :毛繕いが多い猫では毛玉が詰まることも

•  病気    :腸の通過障害(腫瘍など)、神経疾患、骨盤の変形

•  加齢    :腸の動きや筋力の低下

•  骨格の問題 :腰椎が6つ以下であったり、骨盤が骨折して骨盤腔の狭窄症を起こしているため、腸内容物が通過しにくい状況

 

 

 

 

 

◆◆ 治療は以下のような方法があります。

 

 

•  浣腸や摘便による便の排出

•  下剤や整腸剤の内服

•  食事療法(食物繊維の調整、消化器用フード)

•  水分摂取の工夫(ウェットフードや給水器の使用)

 

 

 

 

◆ 今回の猫ちゃんは、浣腸とお薬で硬い便を出すことができ、治療後は楽に排便できるようになりました。

 

 

◆ 出てきた便に毛玉がかなり含まれていました。

 

 

 

 

■■ 今回の猫ちゃんは長毛腫で、飼い主様と相談し当院のトリミング室で全身のサマーカットも行い、今後の再発の予防もしました。

 

 

 

 

◆ ご家庭でできる予防策

 

 

 

•  新鮮な水をいつでも飲める環境をつくる

•  適度に運動できる環境づくり

•  食事に繊維質や水分を取り入れる

•  定期的な健康診断で病気の早期発見

 

 

 

 

◆◆ 猫の便秘は単なる生活習慣の問題だけでなく、病気が隠れていることもあります。 数日便が出ない、いきんでいるのに排便出来ないなどの症状がある場合は、早めの受診が大切です。

 

 

◆ 猫ちゃんの健康的な排便習慣を維持してあげられるよう、お早めのご相談をおすすめいたします。

 

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

 

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